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朝シャンすると薄毛になる?ドクターに聞く!薄毛予防になる洗髪方法

シャンプーする男性
監修ドクター
高田弘弥
日本医科大学形成外科学教室・抗加齢予防医学講座教授 医学博士・工学博士
【略歴】京都大学大学院工学研究科,名古屋大学大学院医学系研究科修了後,イギリス・ウォーリック大学,フランス国立科学研究所へ留学,日系化粧品会社所長代理・フランス系化粧品会社マネージャを経て,2018年より日本医科大学付属病院形成外科講師,現在同教授
【受賞歴】第11回世界毛髪研究会議(国際毛髪会議)最優秀賞(口頭発表部門),バルセロナ(スペイン),2019年など

薄毛が気になり始めたら、シャンプーにも気を遣いますよね。朝シャン(朝にシャンプー)をすると薄毛になるという説もありますが、本当なのでしょうか。洗髪するタイミングは一体いつがベストなのかも気になりますよね。

今回は、洗髪のタイミングや洗髪方法が髪へ与える影響について、日本医科大学形成外科学教室の高田弘弥先生にお話をお伺いしました。

朝だけシャンプーするのは良くない

ー 朝シャンをすると薄毛になるというのは本当ですか?

高田先生「朝シャンとは、朝にシャンプーをすることですね。

朝シャンする方には、夜は洗わず朝にだけ洗髪する方と、夜も朝も洗髪している方がいると思います」

ー 朝だけシャンプーするのはどうですか?

高田先生「朝だけ洗髪することは、頭皮にとってはあまり良くないでしょう。

夜寝て朝起きるという前提ですと、髪を洗うことなく睡眠していることになります。

当然、枕や布団などが不衛生になりますよね。頭皮から出た老廃物が枕に付着して酸化すると、不衛生な枕に触れている部分の頭皮にトラブルが出てくる可能性があります」

ー 朝シャンプーしていても夜洗わなければ、枕に1日分の老廃物がべったりついてしまいますね。枕カバーを毎日は洗濯しない場合、夜になったら昨日の汚れがついた枕で眠ることになりますね……。

高田先生「薄毛以前に、老廃物がついたまま使っている枕はニオイがついて臭くなると思いますよ。寝具が不快な状態では、睡眠も浅くなります」

ー 衛生面だけでなく、睡眠の質にも影響するんですね。睡眠の質が薄毛に関係していることは、前回のインタビューで先生からご説明してもらいました。

あくびする男性
夜更かしすると薄毛になる?睡眠と頭皮の関係をドクターに聞いてみた睡眠と薄毛には深い関係があるとご存知でしょうか。  日本人の睡眠時間は世界的に短いと言われており、睡眠不足の人が多い傾向があります...

高田先生「睡眠の質を高めるには、夜寝る前にお風呂に入ってリラックスし、筋肉をほぐすのが理想です。

不衛生な状態で寝たり、睡眠の質が良くなかったりして頭皮環境が悪くなっていると、発毛剤・育毛剤を塗っても、効果を得にくいでしょう」

ー 夜はお風呂に入ってシャンプーもして、清潔でリラックスした状態でベッドに入ることが大事ですね。

シャンプーは低刺激のものを選びましょう

ー 次に、夜も朝もシャンプーするのはどうでしょうか? 洗いすぎですか? 

高田先生「夜に洗髪して、朝また頭皮や髪が脂でギトギトになっているから朝も洗髪するのなら、問題ないと思います。『朝シャンすると薄毛になる』と言われているのは、夜洗わない場合を示しているのかと思います」

ー なるほど、朝も夜もシャンプーすること自体は問題ないんですね。

高田先生「ただし、洗うタイミングに関わらず皮脂を落としすぎるシャンプーを使うのは良くありません」

ー 皮脂の落としすぎですか。皮脂はよく落とした方が清潔なのだと思ってました!

高田先生「体から出る皮脂は自分を守るために出ています。

たとえば、りんごの実の表面がテカテカとしているのは、ワックスを塗っているのではなく、りんご自体が自分の表面を守るために出しているんです。

人間も同じで、自分の皮膚を守るために脂を出しているんです」

ー 皮脂には大切な役割があるんですね。

高田先生「はい。界面活性剤など刺激の強い成分が入ったシャンプーを使うと汚れはよく落ちるかもしれませんが、必要な皮脂まで落としてしまいます。なので、できるだけ刺激が弱いシャンプーを使うのが良いと思いますね」

ー 市販のシャンプーを選ぶ時の目安は何かありますか?

高田先生「何が最も適しているかは、人それぞれですが、使ってはいけないシャンプーならありますよ。頭皮についた時にピリピリとした刺激を感じるシャンプーは使わないほうがいいですね。

僕も経験があるのですが、ビジネスホテルなどに泊まった際にシャンプーを使うと、頭皮がチクチクするようなことがあります。恐らく、チクチクとした刺激があるのは、極端に言えば頭皮の表皮が剥がれているからだと考えます」

ー シャンプーで表皮が剥がれることがあるんですか! 怖いですね。

高田先生「全身の皮膚の中で、頭皮は比較的皮膚の薄い部位です。そのため、角質に近い表皮が剥がれてしまう可能性は高いでしょう。

表皮が剥がれることがピリピリすることとイコールなのかはまだ研究されている段階で、絶対にそうだとは言い切れませんが、刺激が強すぎるからピリピリするのでしょう。痛みを感じるようなシャンプーは、使わない方が賢明ですね」

ー ところで先生、アミノ酸シャンプーは頭皮に優しいと言われていますが、実際どうでしょう?

高田先生「アミノ酸シャンプーは良いと思いますよ。あとはノンパラベン※のシャンプーも良いとされていますね。皮膚と同じような成分で作られているシャンプーは、汚れは落ちにくくても皮膚のダメージは少ないです」

ー 石鹸シャンプーが髪に良いという噂も聞きました。石鹸で髪を洗うことについて、先生はどう思われますか?

高田先生「石鹸の成分が多少肌に残っていても、そこまで悪い成分は使われていないでしょう。その点で、シャンプーよりも石鹸の方が頭皮に優しいと言えるでしょう。

しかし、皮膚の厚さは人によって違います。皮膚が薄い方は石鹸のアルカリ性成分の影響を受けやすいので、気をつけた方が良いかもしれません」

ー 人の肌は弱酸性ですから、肌が弱い方はアルカリ性の石鹸よりも弱酸性のシャンプーの方が良いかもしれませんね。

※「パラベン」という防腐剤を使っていないこと

理想はお湯だけで長くすすぐこと

ー シャンプーは洗浄力が弱くても、低刺激であることを重視するべきですか? 洗浄力が弱いとオイリーな感じが残って不快に感じる場合もあると思います。

高田先生「洗髪後にオイリーな感じが残っていても、問題はありません。

逆に、ややオイリーな方が良いという説もあるくらいです。皮脂は自分の身からでている成分ですしね。私の周りでは、皮脂を落としすぎると余計に皮脂が出てくると言う方も多いです。

僕が最も理想的だと思うのは、お湯だけで長い時間をかけて洗うことですね。お湯は42度以下の方が良いでしょう」

ー シャンプーは使わない方が良いんですか?

高田先生「シャンプーを使っても良いのですが、頭皮にシャンプーの成分が残ると刺激で表皮が剥がれおちてしまいます。シャンプーやコンディショナーを使う場合は、頭皮に成分が残らないようにしっかりすすぎましょう。

とはいえ、汚れを落とし切れなくて頭皮トラブルになる人より、シャンプーやコンディショナーの成分によるアレルギー症状が出ている人の方が多い印象です。成分が残らないようにしっかりすすぐことを大切にしてほしいですね」

ー シャンプーを使うにしろ使わないにしろ、お湯でしっかりすすぐことが大事なんですね。

高田先生「その通りです。よく『すすぎ』をすることが重要だと思います」

まとめ

夜寝て朝起きるという前提だと、朝だけシャンプーするのは頭皮に良くないんですね。また頭皮の皮脂を落としすぎてはいけないというのは意外でした。もし薄毛が気になるのであれば、洗髪、特にすすぎには今まで以上に時間をかけて、シャンプーやコンディショナーが残らないようにするのがおすすめです。

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