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帽子を被ると薄毛になる?帽子と髪の関係をドクターが解説

陳列された帽子
監修ドクター
高田弘弥
日本医科大学形成外科学教室・抗加齢予防医学講座教授 医学博士・工学博士
【略歴】京都大学大学院工学研究科,名古屋大学大学院医学系研究科修了後,イギリス・ウォーリック大学,フランス国立科学研究所へ留学,日系化粧品会社所長代理・フランス系化粧品会社マネージャを経て,2018年より日本医科大学付属病院形成外科講師,現在同教授
【受賞歴】第11回世界毛髪研究会議(国際毛髪会議)最優秀賞(口頭発表部門),バルセロナ(スペイン),2019年など

薄毛が気になって帽子を被っている方もいるかもしれません。また、帽子を被っていると薄毛になるという噂を耳にしたことがある方も少なくないでしょう。しかし、帽子を被ることによって薄毛が進行しては本末転倒ですよね。

果たして、帽子を被ることは薄毛につながるのでしょうか? その真相を、日本医科大学形成外科学教室の高田弘弥先生にお伺いしました。

冬はむしろ帽子を被るべき

ー よく「帽子を被ると薄毛になる」と聞きますが、あり得ますか? 

高田先生「帽子を被る季節や、どのような帽子を被るかによります。冬はむしろ被った方が良いと思います」

ー 帽子が薄毛予防になるんですか!?

高田先生「はい。冬は外気が乾燥していますから、髪の毛と頭皮の水分量もだいぶ減っているはずです。

頭皮が乾燥すると皮脂が過剰分泌され、薄毛につながる場合もあります。ですので、空気が乾燥する冬こそ、帽子を被って、頭皮や髪にとって最適な環境を作ると良いでしょう」

ー 帽子を被ることで、外的な刺激や乾燥から髪と頭皮を守ることができるんですね。以前ヘアケアラボでも、頭皮の乾燥ケアについて特集しました。

https://media.sonorepro.com/dry-scalp-care/

頭皮と髪に最適な環境は「湿度100%で温度37度」

ー 先ほど「帽子を被って頭皮や髪に最適な環境にすると良い」というお話がありました。具体的に、どのような環境が頭皮や髪に良いのでしょうか?

高田先生「正確な値は言えませんが、実験室で細胞を培養している時には湿度は100%ほどにしてあります。100%と言っても、水に濡れているわけではなくて空気中にある水蒸気の割合が100%ということです」

ー 肌がびっしょり濡れるわけではないけれど、乾いてもこないような状態が理想的なんですね。

高田先生「はい。温度は37度くらいが最適です。冬は手足だけでなく頭皮もかなり冷えますので、帽子を被って乾燥と冷えから頭皮を守った方が良いと個人的には考えます」

ー 37度ということは、カイロなどを使って過度に温めるのではなく、帽子を被って自分の体温で保温するとちょうど良さそうですね。冬はお風呂上がりなどにすぐ頭皮が冷えてしまうので、注意したいです。

高田先生「冬はみなさん手袋をしたり、厚めの靴下を履いたりして抹消の血流を改善していると思います。しかし、頭はケアしていない人も多いのではないでしょうか。

髪の毛1本1本に毛乳頭細胞を取り囲むように毛細血管が通っています。だからこそ僕は、頭こそ守らなくてはいけないと思いますね」

ー なるほど。血液によって髪にも頭皮にも栄養が運ばれていますから、血流が悪くなれば健康な毛が育ちづらくなります。ヘアケアラボの記事でも紹介しましたが、薄毛を予防するなら血行促進は基本ですね。

https://media.sonorepro.com/calp-poor-blood-circulation-symptoms/

高田先生「その通りです! 冬より夏に帽子を被る人が圧倒的に多いと思うのですが、薄毛対策をしたいなら、冬こそ帽子を被ってほしいですね」

夏場は頭皮の蒸れに注意

ー 夏に帽子を被ることはどうですか?

高田先生「そもそも帽子を被ると薄毛になると言われているのは、夏のイメージがあるからですよね。夏の暑い日にたっぷりと汗をかくと、帽子の中で頭皮がふやけて薄毛になっちゃうというイメージではないでしょうか」

ー 確かにそのイメージはありますね。実際に夏に帽子を被ると薄毛になるのでしょうか?

高田先生「帽子の中が高温になっていると毛穴が開き、髪の毛を引っ張れば多少は抜けやすい状態になっていると思います。ですが、犬や猫が夏毛や冬毛に一気に毛が生え変わるのに対し、人間は一気に髪の毛が抜けることはありません」

ー よかった、安心しました!

高田先生「ただし、夏場に帽子を被っていると頭皮が蒸れるので注意が必要です」

ー 安心するのは早かったですね……。

高田先生「夏に帽子を被るのは紫外線から頭皮を守る意味では良いのですが、被りすぎると蒸れてきます。蒸れた頭皮は汗で濡れ、脂質も必要以上に流れてしまうでしょう。自ら出た脂で頭皮を守っている面もあるので、流れ過ぎてしまうのは良くありません。また、皮脂が不足すると、補おうと皮脂を過剰分泌して毛穴詰まりを起こす可能性もあります」

ー 蒸れると不快だとは思っていましたが、頭皮環境にとって良くないんですね。

高田先生「そうなんです。ですので、夏場に被るなら、麦わら帽子のように通気性の良い帽子がおすすめです」

ー とはいえ、夏場にヘルメットを被らなければいけない職種の方もいらっしゃいます。そういう方はどうしたら良いですか?

高田先生「接触冷感素材を使用している、または、メントールを塗り込んであるヘルメット用インナーを使うことは意味があると思います。擬似的に冷たいという感覚を与えれば、少なくとも汗腺は閉じます。

仕事でどうしても、と言う場合は難しいかも知れませんが、長時間ヘルメットを被りっぱなしにするのは、できるだけ避けた方が良いですね」

ー 仕事中もヘルメットは可能な範囲でこまめに外すべきですね。

高田先生「それから、ヘルメットを外した時にタオルを巻くなどして少し頭皮の水分を拭き取った方が良いと思います。頭皮の表面自体は、濡れているより乾いている方が良いですから」

ー ヘルメットは通気性がないので、被っていると汗だくになりますよね。

高田先生「ええ。熱中症対策としても、夏場にヘルメットを被り続けることは避けたいです。

最近、ヘルメットを着用していて倒れ、病院に運ばれてきた患者さんがいらっしゃいました。その方は事故にあったわけではなく、フルフェイスのヘルメットをしていて暑さに耐えきれなくなり失神したんです。暑い日で、ヘルメットの中は湿度も温度もかなり高くなっているうえ、マスクもしていたため、呼吸困難にもなっている感じでした」

ー それは大変だ! 夏場にヘルメットを被る時は気をつけないと、薄毛どころか命にも関わりますね。

帽子は軽くて洗えるものを選ぼう

ー 最後に、帽子を選ぶ際の基準を教えてください!

高田先生「選ぶ基準の1つは、軽さです。重たい帽子は頭皮に負担がかかってしまうので、できるだけ軽いものを選ぶと良いです。負担をかけないという点で、締め付けがないものを選ぶことも大事です」

ー 確かに、負担がかかると頭皮が血行不良になってしまいますね。

高田先生「もう1つの基準が、洗える帽子であることです。帽子が不衛生になると、頭皮にも毛髪にも悪影響があります」

ー 具体的にはどのような悪影響がありますか?

高田先生「洗っていない帽子を被り続けると、帽子が触れている部分に吹き出物ができる可能性があります。

帽子についた老廃物を放っておくと酸化してきます。酸化物が皮膚に触れると、肌トラブルが起きてしまいます」

ー 衣服と同じように、帽子も洗濯することが重要ですね。天然素材が良いなど、素材の基準はありますか?

高田先生「天然素材にアレルギーを持つ方もいるので、天然素材か化繊かは気にする必要はありません。ご自身にとって快適なものを選んでいただければと思います」

まとめ

空気が乾燥する冬は、帽子を被って頭皮や髪にとって最適な環境を作るべき、というお話は目から鱗でした。夏は麦わら帽子などの通気性の良い帽子を被り、冬は軽くて洗えるものの中から心地よく使えそうな帽子を選ぶのがおすすめです。

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