頭皮ケア

男性の頭皮のにおいはなぜ出てくる?その原因、対策方法を解説

男性の頭皮のにおい

男性で頭皮のにおいが気になるという方は多いかもしれません。頭皮のにおいが出ていると感じられたり、枕や帽子がにおったりする場合、対策を行ったほうがよいでしょう。

また、頭皮のにおいは脂漏性皮膚炎などの病気のサインである可能性もあるため、においがなぜ出ているかを突き止めるのも大事です。

今回の記事では、男性の頭皮のにおいの原因、注意すべき理由、頭皮のにおいのチェック方法、においの改善方法について詳しく解説します。

頭皮のにおいに注意すべき理由

頭皮からにおいが出ているということは、何かしらの問題が起こっているサインかもしれません。頭皮からにおいが出る場合に注意すべき理由を紹介します。

頭皮環境の悪化

頭皮からにおいが出ている場合、頭皮環境が悪化しているかもしれません。

においが発生しているということは、頭皮に皮脂や汚れが溜まったり、乾燥したり、細菌が繁殖したりしているという可能性があります。におい以外にもフケや赤み、湿疹などの症状を引き起こすかもしれません。

頭皮のバリア機能や水分量が低くなると、フケやかゆみが起こる可能性があるとされています。赤みや湿疹なども、頭皮環境の悪化によって起こることがあるので注意しましょう。

抜け毛の進行

頭皮からにおいが出ているということは、脱毛が進行してしまう可能性も考えられます。

においとともに湿り気のある大きなフケが見られると、脂漏性皮膚炎を引き起こすことがあります。これは、皮脂を栄養源とするマラセチアという常在菌が繁殖することで起こる病気です。脂漏性皮膚炎で頭皮環境が悪化すると、抜け毛を進行させる脂漏性脱毛症を引き起こすことがあります。

また、頭皮環境が悪化している場合、男性型脱毛症(AGA)が起こっている可能性もあります。大正製薬株式会社と明治薬科大学薬学部教授の共同研究では、AGA患者の頭皮には皮脂成分のトリグリセリドやアクネ菌、マラセチア属菌が多いことがわかっています1)

菌によってにおいが出ている場合などには、脱毛が進行してしまう可能性があるのです。

このように、頭皮からにおいが出ている場合には、頭皮環境の悪化から病気を起こしたり、脱毛を進行させてしまったりする可能性があるので早めに対処しましょう。

1) Suzuki K, Inoue M, Cho O, Mizutani R, Shimizu Y, Nagahama T, Sugita T. Scalp Microbiome and Sebum Composition in Japanese Male Individuals with and without Androgenetic Alopecia. Microorganisms 2021, 9, 2132.

周囲への迷惑

頭皮のにおいは、周囲の人に迷惑を与えてしまうかもしれません。

頭皮から出たにおいは家族や職場の人など、近い距離の人に不快感を与えてしまいます。また、においのケアをしていないと不衛生な印象を与えてしまいます。

本人はにおいをあまり感じていなくても、周囲の人は感じている場合があるので注意しましょう。

頭皮のにおいの原因とは

頭皮のにおいの原因とは

では、男性の頭皮のにおいはなぜ発生するのでしょうか。ここでは、頭皮のにおいを引き起こす3つの原因を紹介します。

雑菌

頭皮のにおいの原因のひとつが、頭皮にある雑菌です。頭皮にはもともと頭皮環境を整える頭皮常在菌という菌が存在し、それが頭皮に残った皮脂や汗と混ざり合うことで、酸化してにおいが発生します。

頭の臭いに関する研究2)でも、「頭の臭いが次第に強くなっていく原因の1つとして頭皮に存在する長鎖脂肪酸が、増加する頭皮常在菌の作用で臭いの強い短鎖の脂肪酸に分解される事が考えられる」とされています。

そもそも頭皮には額や頬の約3倍、背中の約5倍もの皮脂腺があります3)。体の中でも頭皮は最も皮脂量が多い部位のため、皮脂による男性のにおいのトラブルが起こりやすいのです。

2)窪田正男,駒木亮一,伊藤芳和,新井みち代,庭瀬英明,頭の臭いに関する研究.295-298 .1994.
3)BP-Square インタビュー「頭皮の乾燥を科学する─頭皮用保湿ローションの改善効果」川島眞

加齢

加齢によっても男性の頭皮のにおいが起こる場合があります。これはいわゆる加齢臭というものであり、大体40代以降に発生します。

加齢臭はノネナールという物質によって起こりますが、40代以降に増えるパルミトオレイン酸が酸化することでこのノネナールが発生すると考えられています4)。加齢臭の原因物質であるノネナールは、男性ホルモンによる皮脂分泌が発生源となっていることから、加齢臭は男性の方が強いともいわれています。

こちらの論文5)では、ノネナールは「額、腕、耳裏から比較的多く分泌されている」とされており、男性のにおいが頭部からも出ていることがわかります。

ノネナールはストレスや喫煙によっても生成されやすくなります。

4)S Haze , Y Gozu, S Nakamura, Y Kohno, K Sawano, H Ohta, K Yamazaki, 2-Nonenal newly found in human body odor tends to increase with aging. 2001;116(4): 520-4.
5)片岡洋行,固相マイクロ抽出法に基づく体臭成分の高感度分析法の開発と
香粧品・食品摂取やストレスによる体臭変化の解析.コスメトロジー研究報告 Vol.22, 2014

病気

頭皮のにおいは、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、粉瘤などの病気が原因で発生する場合があります。

脂漏性皮膚炎になると、頭皮にマラセチア菌というカビが増殖するため、これが皮脂と混ざってにおいが出ることがあります。また、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎は皮膚から角質の粉が落ちる状態にまで悪化すると、そこから組織液が出て特有のにおいが出ることも。その他にも、皮脂や角質が溜まって皮膚がふくらむ粉瘤によっても、頭皮からにおいが発生する場合があります。

もしにおい以外に頭皮の炎症やかゆみ、湿疹、フケなどの症状が見られたら、病気が原因の可能性もあるので、皮膚科を受診するのが良いでしょう。

頭皮のにおいのチェック方法

頭皮のにおいのチェック方法

頭皮のにおいが疑われる場合には、早めににおいのチェックを行いましょう。ここでは頭皮のにおいを調べる3つの方法を紹介します。

自分でのチェック

頭皮のにおいは自分ではなかなか気付きにくい部分もありますが、以下の方法をとることで自分でも簡易的なチェックが行えます。

タオルや枕、帽子のにおいをチェック タオルや枕、帽子を使用した後ににおいを嗅いでみましょう。自分では感じないという場合は、家族や友人などに嗅いでもらうのがよいかもしれません。
ドライヤーで後ろから風をあてる 耳の裏などがにおいの原因のことが多く自分ではにおうことができませんが、シャンプーをする前などにドライヤーで後ろから風を当てるとにおうことができます。

上記を試して体臭や加齢臭のようなにおいが感じられた場合は、頭皮からにおいが発生しているかもしれません。

計測器でチェック

頭皮のにおいをチェックするには、におい測定器を使う方法もあります。

通販などでは「においチェッカー」や「体臭測定器」などが販売されているので、これらを使うことでにおいを数値化してチェックすることが可能です。使い方は頭皮にセンサーを当てるだけと簡単で、測定後は数字が表示されてにおい対策が必要かどうかを教えてくれます。

測定基準はメーカーによって異なりますが、においが出ているかを調べる場合にはこういった測定器を使うのも良いでしょう。

医療機関でのチェック

頭皮の健康状態も合わせてより詳しく調べたい場合は、AGAや薄毛の専門クリニックに相談すると良いでしょう。AGA専門クリニックなどでは、医師がにおいを調べてくれるだけでなく、マイクロスコープで頭皮を観察、診断してくれますし、血液検査や遺伝子検査でAGAのリスクもチェックできます。

また、においの他にフケやかゆみ、湿疹などの症状がある場合は、皮膚科で診断を受けるのも良いでしょう。

頭皮のにおいを改善する方法

頭皮のにおいを改善する方法

頭皮からにおいが出ているとわかった場合は、対策を行う必要があります。ここでは男性の頭皮のにおいを改善する方法を紹介します。

洗髪

頭皮のにおいを防ぐためには、皮脂や汚れが頭皮に残ったままにならないよう洗髪を行いましょう。洗髪をしなかったり洗い残しがあったりすると、皮脂や菌によって頭皮のにおいが悪化する可能性があります。

1日に1回は洗髪をし、洗髪時は指の腹で頭皮全体を優しくマッサージするように洗い、洗い残しを防ぎましょう。洗髪前にはブラッシングを行うのも良いです。髪に付着した汚れやほこりを落とし頭皮の汚れを浮かせて取りやすくなります。

低刺激シャンプーの使用

頭皮のにおいが気になる場合は、低刺激シャンプーを使用するのも良いでしょう。

頭部皮膚疾患患者を対象とした臨床試験では、「シャンプーの主成分であるアニオン性界面活性剤は、それ自身が皮膚刺激性を持つ物質であり、通常の洗髪条件では、平均0.9 µg/cm2が皮膚に残存する」ことが報告されています6)

つまり、一般的なシャンプーの主成分である界面活性剤には頭皮への刺激があり、これは洗髪しても一定数が頭皮に残る可能性があるのです。頭皮にシャンプーの成分が残ってしまうと、汗や皮脂に反応してにおいの原因となることがあります。

また、界面活性剤は皮膚のバリア機能を低下させて、頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌を招く恐れもあります。頭皮のにおいが気になる際は、界面活性剤が使われていない低刺激タイプのシャンプーを選ぶのが良いでしょう。

6)小關知子, 茂呂修、関東裕美、低刺激性プロトタイプシャンプーの頭部皮膚疾患患者における使用評価―頭部皮膚疾患患者を対象とした臨床試験―.2017

ドライヤーの使用

頭皮のにおいを改善するには、男性もシャンプー後にドライヤーを使用するのがおすすめです。洗髪後に濡れたまま放置していると、毛穴や髪の毛に水分がついたままになり、そこに雑菌が繁殖してにおいの原因となります。

洗髪後はタオルで水気を吸い取ったら、ドライヤーの温風を使い髪の根元から乾かすようにしましょう。近距離でドライヤーを当てると髪や頭皮にダメージが加わるので、頭皮から30cmほど離して使用するのがよいです。

ドライヤーを使用することで、洗髪後の雑菌の繁殖によるにおいを防ぐことができます。

食生活の見直し

頭皮のにおいを防ぐためには、食生活の見直しも行うとよいでしょう。

とくに控えた方が良いのが、脂質の多い食事です。男性は脂質の多い食事を摂りがちですが、こういった食事は頭皮の皮脂の過剰分泌を招いたり、活性酸素を発生させて体臭の原因となったりする可能性があります。

また、東京医科歯科大学や東京理科大学などによるチームが行った研究7)では、高脂肪食の過剰摂取で薄毛や脱毛が促進されるともされています。

頭皮の健康を維持するためにも、脂肪や脂肪酸を含む食品の摂取は控えて、ビタミン、ミネラル、たんぱく質など、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。

7)森永浩伸,西村栄美,高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムの解明―幹細胞における炎症・再生シグナルの異常が毛包の萎縮を引き起こす―.

生活習慣の見直し

生活習慣の乱れも、男性の頭皮のにおいの原因となる場合があるので注意が必要です。

体臭や加齢臭の原因物質であるノネナールは、「飲酒や喫煙、ストレスなども体臭変化に影響すると考えられる」とされています

脂質の多い食事や飲酒、喫煙、ストレスは、頭皮のにおいを引き起こすことがあるので、なるべく控えてストレスの少ない生活を心がけると良いでしょう。

皮膚科で治療

ここまで紹介してきたセルフケアを行ってもにおいが改善しない場合や、においの原因がわからない場合には、医療機関で診察を受けるのが良いでしょう。

また、においの他にフケやかゆみ、湿疹などの症状が見られる場合、脂漏性皮膚炎などの病気を引き起こしている可能性もあるため、皮膚科などで治療してもらうのがよいです。皮膚科では、専門の医師から症状に適した治療や薬の処方を行ってもらえます。

また、脱毛や抜け毛などの症状が見られる場合は、薄毛専門のクリニックに相談するのも良いでしょう。

頭皮環境の改善方法については、以下で詳しく解説しています。

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まとめ:頭皮のにおいをケアして頭皮トラブルや抜け毛を予防しよう

頭皮のにおいが発生する理由には、皮脂や汚れの洗い残し以外にも頭皮環境の悪化や病気など、様々な影響が考えられます。頭皮環境が悪化してしまうと将来的な薄毛を招く可能性もあるので、頭皮を正常に保っておくことが大切です。

においだけでなくかゆみや炎症などの症状があったり、自分で症状を改善できない場合は、一人で悩まずに医療機関に相談しましょう。

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